私たちはみな自分自身と、すでに存在していない理想とを突き合わせ、それが達成できなかったことで自分を責めているのだ。
混沌とした――いわば52種類の破壊的要因カードを引き抜いていく狂気にも似た――人生を生き延びる利点は、それが親からであれ、隣人からであれ、自分自身が与えたものであれ、いわゆる期待というくびきから解放されることにある。
人生にいかに意味を持たせるか
こうあるべきという名の電車は速度を緩め、私たちは誰もが自分で選択を行い、何が私たちに平穏をもたらすのかを自分で決められるのだ。
しかし逆に、人生がより困難なものになるかもしれないという欠点もある。無限の選択肢を前にして何ひとつ選ばず、自分自身の物語を書こうとしても壁にぶつかってしまう可能性が考えられる。
成功と失敗、言い換えれば充実した人生と挫折の人生の分かれめは、自分の人生にいかに意味を持たせるかという課題に、どれだけうまく対処できるのかにかかっている。
髙橋功一(たかはし こういち)
青山学院大学卒業。航空機メーカーで通訳・翻訳業務に従事し、その後専門学校に奉職。現在は主に出版翻訳に携わる。訳書に『自信がつく本』(共訳、ディスカヴァー・トゥエンティーワン)、『エディー・ジョーンズ 我が人生とラグビー』(ダイヤモンド社)、『世界の天才に「お金の増やし方」を聞いてきた』(文響社)など。
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