米大統領選に「奇妙な候補者」が溢れる理由 「大統領不適格者」が次々に名乗り

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筆者はドナルド・トランプ氏が選挙戦に参加することがおかしいとは考えない。大統領に適任とはいえないが、彼の所信表明演説には、米国の暗部に訴える資質が表れていた。

メキシコからの移民について「彼らはドラッグを持ち込み、犯罪を持ち込んでいる。彼らは強姦者だ。だが一部には、よい人々もいるのだろう」との攻撃的な意見を述べたことで、世論調査でトランプ氏の好感度が上昇し、多くの共和党議員を当惑させた。

不適格者はなぜ支持を得ているのか

さらに奇妙な側面の一つには、元外科医で政治家としては新人のベン・カーソン氏の成功がある。同性愛についての彼の極端な見解(同性愛を獣姦になぞらえ、人間は獄中で過ごすことでゲイになるのだと主張している)は、共和党支持母体の一定の層から共感を得ており、彼はアイオワ州で重要候補者となっている。

この選挙は、過去最多の候補者がいるだけでなく、記憶されるどんな選挙よりも、明らかに大統領としては不適格な候補者が多い。しかも彼らは現在のところ非常に健闘している。この選挙戦は確実に面白いものになるだろう。

週刊東洋経済2015年8月1日号

エリザベス・ドリュー ジャーナリスト

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エリザベス・ドリュー / Elizabeth Drew

近著に『ウォーターゲート事件とニクソン失脚に関するリポート』がある

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