就活生は、だいたい「出産適齢期」を知らない

男女とも、このことを知っておこう

出産と仕事について、白河氏は社会的な側面から、齊藤氏は医学的側面から論じているので説得力があり、若いうちからライフプランについて考えることがいかに重要であるかがよく理解できると思います。イラストや図表も豊富なので読みやすく、忙しい就活中にも短時間で気軽に読破できるでしょう。

1章にあたる「1限」では、「結婚や妊娠は、自然(受け身)では手に入らない時代になっている」(白河氏)背景がわかりやすく解説されています。

現代は、20代で寿退社をして子育てに専念するような昔ながらの「ベルトコンベア」式の環境ではありません。そのため、「仕事」「結婚」「子どもを産んで育てること」という女性にとっての3つの山を登るには、意思を持って戦略的に活動することが大事だといいます。

妊娠についての基礎知識が低い日本

以降、その具体的な戦略が書かれているのですが、特に齊藤氏による「2限 産めるカラダのメンテナンス」と「5限 “不妊治療大国”の現実」は必読です。冒頭の卵子の老化問題を始め、出産適齢期や高齢出産のリスク、不妊治療の基礎知識などがさまざまなデータとともに学べます。

教育水準が高いはずの日本ですが、実はこうした妊娠や不妊についての基礎知識の理解度は、主要国の中でも下から2番目と世界最低レベルだそうです。皆さんも、おそらく学校でも家庭でも、こうした知識やライフプランの重要性についてはきちんと教わってこなかったのではないでしょうか。

現在、不妊治療を受ける人の年齢は高くなっており、40歳で初めて診察を受ける女性も少なくありません。「せめて20代後半~30代前半で赤ちゃんを持とうとしていれば、大半が、私たちの手を借りることなく自然に妊娠できたことでしょう」と、齊藤氏は言います。実際、「もっと知識があればよかった」と後悔する患者は少なくないそうです。時として、知識不足は人生に深刻な影響を与えるのです。

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