「2025年日経平均株価5万円」への道が見えてきた 7月以降は小型グロース株の水準訂正に期待

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このコラムでも繰り返しているように、「今回のデフレ脱却相場は、政府の『デフレ脱却宣言』が出る前には終わらない」という筆者の大局観はまったく変わっていない。

今回の相場は2023年大発会の日経平均2万5716円から始まり、同年7月3日の3万3753円までの8037円高で高値をつけたあと調整に入った。

そして、調整が終わった2023年11月からの年をまたいだ「2段上げ相場」によって、今年7月11日、前出の3万3753円から計算すると再び8000円以上の上昇(8471円高)の4万2224円となって、史上最高値を更新した。一時は景気後退懸念まで出ていたアメリカの経済は物価の落ち着きとともにソフトランディングの様相となり、同国の10年債利回りは4%台前半で落ち着いている。

さらに恐怖指数と言われるVIX指数も同じく「警戒基準」とされる20ポイント台をつけることなく、6月下旬以降は12ポイント台となっていた(今回はさすがに上昇、19日現在では16ポイント台となった)。短期的上下動の激しい同指数にしては、これだけ長く安定していることは極めて珍しい現象だ。これは、アメリカでは再び適温相場(ゴルディロックス)が展開されている証左だ。

「3度目の8000円高」で2025年日経平均5万円へ

ただし、ここまで日本の個人投資家が手放しで喜べなかったのは、この「2段上げ相場」で大型株を中心に上昇する中、個人投資家の持ち株の多くが含まれる小型グロース株が、圧倒的に出遅れたことだった。

しかし、日経平均の今回の高値波乱は、上げも下げもレーザーテックや東京エレクトロンなど、値ガサ半導体株の影響が大きい。もし資金が「市場からの逃避」ではなく「循環物色」の前向きな動きになれば、小型グロース株の水準訂正の始まりと見ることもできる。

すでに出遅れていたスタンダード市場の銘柄群は急速に出直りつつある。2024年後半相場は、ようやく個人投資家好みの相場になりそうだ。「宵の明星」は、やはり天井示唆の現象ではなく、そのエポック(時代)を画す現象ではないかと見ている。そして日経平均はしばらく調整があっても、循環物色を続けながら、2025年には「3度目の8000円高」で5万円となる、というのが筆者の展望だ。

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