モンスト「インド進出」に懸けるMIXIの腹づもり 屋台骨の"方針転換"の背景を木村社長に直撃

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――2015~2020年にかけては、中国や北米などからの撤退も経験しました。当時の反省を生かせますか。

北米は、北米のオリジナル版を出そうとしていたことと、PCゲームで遊ぶ文化が出来上がっている中で、モバイルでのマルチプレイゲームは浸透しづらかったことが原因だ。また、ガチャ(ルートボックス)に対してのアレルギーも強かった。

中国はモバイル優位だが、テンセントと組み、大きなユーザー組織を持っているテンセントのプラットフォームから、一気にドーンとユーザーにインストールさせた。しかしわれわれの戦略は、友達が友達を誘って、つねに身近な友達と一緒に遊べる環境を作り、やめづらい状況にすることだ。中国ではそれをやりきれなかった。

インドでは、友達が友達を誘っていくような構造を徹底して作っていくつもりだ。

MIXIの木村弘毅社長
モンストの”生みの親”でもある木村社長。「きちんと外貨で稼げる企業」への転換を目指す(撮影:今井康一)

――現地に入り込んで展開するのが重要になりそうですね。

単独資本で進出するつもりだが、インドの現地資本が入っているところと組まないと政治的リスクの観点で難しい局面もあるかもしれない。そこは臨機応変にやりたい。

きちんと資本関係、契約関係を結ぶことは重要になる。そのあたりの難しさがあり、日本企業がインドに進出できない話はよく聞く。

インド領域の責任者はインドに住んでいた経験がある。中国版を手がけた経験もあり、そのときの反省は生かしてくれるはずだ。

一本足からの脱却に想定より遅れ

――SNS「mixi」の運営を開始して約10年でモンストをリリース。それからさらに約10年が経ちました。会社全体の現在地をどう評価していますか。

理想は利益規模が同じくらいの事業が3つくらい立ち上がっている状態だ。3つあればふらつかない。『モンスト』一本足からの脱却ということは、われわれも宣言しているが、想定より時間がかかっており、本当に申し訳ない。

スポーツベッティングサービス「TIPSTAR」が昨年度に通期で黒字化を達成して、利益規模はもっと大きくなるだろう。子どもの写真・動画共有アプリ「みてね」は会員規模が非常に大きいので、マネタイズを進めてなるべく早く黒字化したい。

長期的にはコミュニケーションを豊かにするサービスを届けていきたいと思っているが、まだ道半ばだ。やりきれていないことはたくさんある。スポーツも規制が緩和されれば、イノベーションが起きる余地がある。

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