任天堂、「ファミコン風」新作で示した"新しい一手" 懐かしいだけじゃないゲーム「ファミコン世界大会」

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とはいえ、RTAは参加難易度が高い。1つのゲームをスタートからゴールまで遊ぶことが基本となるうえ、細かい部分も練習が必要になるので非常に時間がかかるのである。

それならば、それぞれの練習を細かく区切り楽しく遊ばせるのはどうか? というのが『ファミコン世界大会』のアイデアである。ファミコンのゲームを懐かしみながら遊んでいると、最終的にはRTAに挑戦するような形になっていくのだ。

競うことでファミコンのゲームが再び輝く

『スーパーマリオブラザーズ』や『ドンキーコング』であれば本当に最初からクリアまでプレイすることになる。『スーパーマリオブラザーズ3』のような長いゲームであればワールド1のみ(最初の6ステージほど)になるが、それでも1つの挑戦として盛り上がる区切りになっているのだ。

「サバイバル大会」では、ゴースト(他プレーヤーのリプレイ)と競争することになる。こちらは一発勝負の勝ち抜き戦なので、いかにRTAの練度を高めたかで勝敗が決まる。まさしくリアルなタイムアタック戦だ。

つまり、『ファミコン世界大会』は懐かしいだけでなく、いまはやりのRTAの楽しみをかみ砕いたゲームといえる。

また、決められた競技のタイムで競う「世界ランキング大会」では、ただランキングが出るだけでなく、生まれ年ランキング(同年代ランキング)が用意されている。あるいはおすそ分けプレイで家族や友達といった身近な部分での競争も楽しめる。世界という巨大な相手だけでなく、身近な存在との競争も楽しめるように作られているわけだ。

プレーヤーが投げ出さないような仕組みも重要だ。ゲーム開始前にはお手本の動画が見られるし、プレイ中にやられても巻き戻し機能が自動で働く。難易度の高い競技には専用の雑誌風攻略記事が用意されている。これのおかげで、遊んだことのないゲームでも気軽に挑戦できるだろう。

『ファミコン世界大会』は、懐かしいのはもちろん、時間を競う部分にフォーカスを当て、ファミコンのこれまでと違った一面を見せた作品といえるだろう。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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