踏切25カ所撤去「京王線高架化」の進み具合は? 全工区で工事着手、高架橋もあちこちに出現

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連続立体交差事業は東京都が事業主体となって行う道路整備の一環で、2013年度に着手した。

都建設局道路建設部によると、全体の事業費は約1843億円で、国の補助や自治体負担分を含む「都市側」の負担額は約66%の1220億円、そのほかを京王が負担する形という。都区内の連続立体交差事業の場合、一般的な負担割合は都市側が約85%、鉄道側が約15%だが、京王線の場合は「(鉄道側が負担する)複々線化計画の用地確保も一部行っている」(都建設局)ため、割合が異なるという。

工事は、笹塚側から第1~第8まで8つの工区に分けて実施。2018年10月に、代田橋駅付近の第1工区、明大前駅付近の第2工区、芦花公園駅付近の第6工区、仙川駅につながる区間の第8工区で始まった。その後2021年4月に下高井戸駅付近の第3工区、桜上水駅付近の第4工区でもスタート。2022年10月に千歳烏山駅付近の第7工区、そして残る上北沢駅付近の第5工区の工事が2024年4月に始まった。

京王線連続立体交差事業 図

基本的な工事の順序は、まず1線分の高架を現在の線路の南側に建設して下り線を高架化。その後、もとの下り線を撤去してもう1線分の高架を建設し、上り線を切り替えるという形だ。

すでに高架橋が姿を現しているのは、代田橋―明大前間、明大前駅付近、桜上水駅付近、芦花公園駅付近、芦花公園―千歳烏山間、千歳烏山―仙川間。2024年度も下高井戸駅などで高架橋の建設が進む予定だ。

代田橋 明大前 高架橋脚
代田橋―明大前間で建設中の高架橋脚(記者撮影)
桜上水駅 高架橋
桜上水駅の横に立つ高架橋(記者撮影)

高架化で駅はどうなる?

区間内には、新宿寄りから代田橋・明大前・下高井戸・桜上水・上北沢・八幡山・芦花公園・千歳烏山の8つの駅がある。

このうち八幡山駅は1970年に高架化されており、立体交差事業ではほかの7駅を新たに高架化する。合わせて特急停車駅である明大前駅と千歳烏山駅は現在の2面2線から、列車の待ち合わせや追い抜きができる2面4線の構造に変わる。新たに高架化する7駅の外観デザインは2019年に決定した。

明大前 高架化 イメージパース
高架化後の明大前駅外観イメージ(画像提供:京王電鉄)

現状の各駅はいずれも駅前が手狭でバスロータリーなどの広場がなく、交通結節点としては課題があるのが実情だ。7駅の地元である世田谷区は、高架化を機に駅前広場などの周辺整備を進める方針で、明大前駅と千歳烏山駅についてはすでに都市計画決定されている。ほかの駅については、「今後の連続立体交差化事業の進捗に合わせて検討を進めていく」(世田谷区道路・交通計画部交通政策課)という。

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