携帯は競合でも「バイクシェア」で手を組む事情 ドコモとソフトバンクが子会社を通じて提携

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事業提携の要となるのが、このメンテナンスオペレーションでの協力だ。

例えば、ドコモ・バイクシェアにとって郊外に近いポートまでトラックを移動させるのは非効率だが、広域展開しているOpenStreetに任せることで改善できる。逆に、OpenStreetの自転車が都心部に集中した場合、ドコモ・バイクシェアの密なオペレーションネットワークを活用することで効率的に再配置できる。

特筆すべきは、両社のバッテリーが共通で使用できる点だ。両社はパナソニックとヤマハの電気自転車を採用しており、このバッテリーは共通化できる。これにより、オペレーションの効率が大幅に向上する。ドコモ・バイクシェアの武岡雅則社長は「車体の共用って、とどのつもりはバッテリーの共用。大事なのは実はバッテリーです」と述べ、バッテリーの共用が提携の核心であることを強調している。

バッテリーを共用することで相互のバッテリー交換や充電が可能となり、どちらの会社の充電ステーションでも両社のバッテリーを充電できる。また、充電拠点を共有することで、効率的なバッテリー管理が可能になる。さらに、各社が得意とするエリアでのオペレーションに集中できることで、移動時間の削減にもつながる。

加えて、バッテリー交換の頻度が上がることで、利用者が電池切れに遭遇する機会が減少。これにより、サービスの利便性が向上し、利用回数の増加も期待できる。

最初のエリアを作り込み、スピーディーに横展開

ドコモ・バイクシェアとOpenStreetの事業提携は、段階的なアプローチで進められる。まずは1つのエリアから始め、そこでノウハウを蓄積した後、2つ目以降のエリアへとスピーディーに展開していく方針だ。具体的なエリアはまだ検討中だが、横浜市や大阪市など、ある程度の規模がある場所から展開していく意向が示されている。

最初の候補となる可能性が高いのが横浜市だ。同市はシェアサイクル事業の実施方針計画の中でポートの共通化について言及している。横浜市の公募にドコモ・バイクシェアとOpenStreetが共同で応募することになるという。

 

横浜市が6月に公開した横浜市シェアサイクル事業実施方針(案)では共用ポートの設置率を90%とする方針が示されている(画像:「横浜市シェアサイクル事業実施方針(案)」より)
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