携帯は競合でも「バイクシェア」で手を組む事情 ドコモとソフトバンクが子会社を通じて提携

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、行きは自転車で向かい、帰りは電車など別の交通手段を使うことも可能になる。このように、ポート共有化によってユーザーの移動の選択肢が増え、より柔軟な移動が可能になることが大きなメリットだ。自転車の利用範囲が広がることで、日常生活における移動がこれまで以上に便利になるだろう。

加えて、今回の提携によるメンテナンスオペレーションの効率化で、利用者が直面しやすかった「バッテリー切れ」の問題も改善される見込みだ。互いのポートで自転車のバッテリー交換を分担することで、より頻繁にメンテナンスできるようになるためだ。これにより、サービス品質の向上とともに、安心して自転車を利用できる環境が整うことになる。

ドコモ・バイクシェア
アプリ上は共用ポートを示すアイコンが表示される(筆者撮影)

提携のカギはメンテナンスにあり

シェアサイクル事業では、需要に応じて自転車を再配置するオペレーションが不可欠だ。低頻度の場所から需要が高い場所へ自転車を運び、利用可能な自転車の数を均一化する再配置の作業が常に発生する。この点で両社は異なるアプローチを取っている。

ドコモ・バイクシェアは、狭いエリアで密に展開していることを生かし、頻繁に人手によるオペレーションを行っている。都心部ではバッテリーの集中充電スポットを導入するなど、収益性の高いエリアを強みとした高頻度の配置を行っている。一方、OpenStreetは広い郊外エリアでの展開を特徴とし、自転車の偏りをある程度許容しつつ、ユーザーへのキャンペーンを通じてポート間移動を平準化する仕組みを導入するなど工夫を行っている。

ドコモ・バイクシェア
ドコモ・バイクシェアの自転車を再配置する様子(提供:ドコモ・バイクシェア)
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事