目標を達成する人は、心をこう鍛えている! 意志力を鍛えるための「日常の習慣」

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ここまでは自我消耗の研究をひも解き、心のスタミナを消耗させない秘訣について解説してきました。では、ウィルパワーを強化するにはどうすればいいのでしょうか?

それには、筋肉を鍛えるときと同じように、鍛錬することと、休息をとって回復させることのバランスが大切です。そのコツとなる3つの方法を紹介します。

1つ目が、小さな挑戦を2週間実行することです。
2つ目が、スポーツや運動を行う習慣をもつことです。
3つ目が、十分な睡眠をとることです。

 

まずはじめに、自己コントロールを必要とする小さな挑戦を続けることで、ウィルパワーを「筋トレ」する方法です。そのような小さな挑戦の機会は、実は日常の生活や仕事の中にあふれています。例をいくつか挙げましょう。

•姿勢よく歩く
•足を組まずに姿勢正しく座る
•悪口や愚痴を言わない
•毎朝、オフィスの机を片付けてから仕事を始める

 

これらのちょっとした試みが、大きな意志力の違いを生み出すのです。

 

不安なときこそ、一歩前に踏み出そう

今回の一連の記事では、変化が激しく不安に陥りがちな状況下でも、積極的に仕事に向き合える「逆境力」と「希望力」のある人の心理的特徴について解説しました。

私も自分のビジネス体験から、「レジリエンス」「ウェイパワー」「ウィルパワー」の3つを普段の仕事を通して鍛錬していくことが、不安などのネガティブ感情に負けずに、行動につながる「強気」の基盤となると実感しています。

不安なときだからこそ、臆病にならずに、一歩前に踏み出し、自分のやりたいことや自分がなすべきことを一つひとつ達成していきましょう。

久世 浩司 ポジティブサイコロジースクール代表

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くぜ こうじ

株式会社レジリエンス・コンサルティング代表取締役

1972年岐阜県大垣市生まれ。慶應大学卒業後、P&Gに入社。化粧品事業のマーケティング責任者としてブランド経営と商品・広告開発に携わる。その後、最新の心理学を人材育成に活用する講師とコーチを育成する社会人向けスクールを設立。専門はレジリエンス。NHK「クローズアップ現代」ではレジリエンス研修が取り上げられた。著書に『世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方』(実業之日本社)、『リーダーのための「レジリエンス」入門』(PHP研究所)、『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?』『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』(ともにSBクリエイティブ)など。
 

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