日本にじわじわ侵食「中国系チェーン店」驚く実態 一見するとわからない、カフェやバーが増える

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スマホから3リットルのビールを注文し手酌で飲んでいると、スタッフとやり取りすることはほとんどない。大音量の音楽に遮られ、ほかの客の話し声は聞こえない。

Helen’s bar ガチ中華 浦上早苗
定番のおつまみの数々※店内が暗かったため、明るさ調整をしています(写真:筆者撮影)

ネオンに釣られてふらっと入ったとしても、客やスタッフのほとんどが中国籍であるのはもちろん、中国企業が運営していることはすぐにはわからないだろう。

Helen’s bar ガチ中華 浦上早苗
Helen’s barの店内。連日中国人客でにぎわう(写真:筆者撮影)

6月14日のオープン以来、中国のSNSなどで知った中国人客で連日満席だという。18日に店を訪れた筆者を出迎えた店長は「日本人のお客様も数組いらっしゃるので、どのように当店を知ったのか、帰り際に聞こうと思っています」と話してくれた。

ラオスで日本風カフェバーを出店

中国メディアによるとHelen’s barの創業者は軍の元偵察兵で、退役後に中国の観光地で外国人旅行者相手のバーを始めたのがこの業界に入るきっかけとなった。

2005年にラオスで「Sakura Cafe Bar」という名の日本風カフェバーを出店。北京にも同じ名前のバーを出したが、金融危機で閉店し、2009年に北京でHelen’s barを開業した。

当初は外国人留学生を主な客としていたが、徐々に中国人の若者にターゲットを移し、店舗を増やしながら「夜のスターバックス」というイメージを浸透させ、業界最大手に成長した。

Helen’s barのコンセプトはハッキリとしている。同社の客の73.1%が24歳以下で、若者向けだ。人気の秘密はアルコール飲料の安さで、同社はビールを自社生産するし、他社の半額程度の1本10元(約220円)以下で提供する。

大学生をメインターゲットにしているので、大学周辺への出店を進め、テナント料の高い繁華街や一等地に出店する必要は少ない。503店舗(2024年3月19日時点)のうち北京、上海、深圳、広州の一級都市の店舗が39店(同)にとどまるのも、家賃や人件費を抑えるためだという。

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