早くも孤立する震災仮設住宅の高齢者、テレビを見て寝るだけの日々が続く
設備も住民に不便を強いる。給湯器は安価で風呂の追い焚きができないタイプ。「雨漏りや暑さで屋根が曲がることもあった」(50歳代男性)。住民の要請を受けて、玄関には風除室が入居後に設置されたものの、出入りがしやすい掃き出し窓になっていないため、高齢者にとって洗濯物干しは一苦労だ。
■掃き出し窓になっておらず、洗濯物干しは一苦労(緑ヶ丘東部仮設住宅)
■給湯器は風呂の追い焚きができないタイプ(緑ヶ丘東部仮設住宅)
緑ヶ丘東部仮設住宅では、世帯の約3分の1が一人暮らし。「脱水症状で病院に運ばれた人や、突然いなくなって警察に捜索願いが出た人もいる」(住民)という。富岡町の住宅支援班担当者も「町の保健師や社会福祉協議会職員が安否確認や生活相談で訪問しているが、仮設住宅へのフォローは十分とは言えない」と認める。
いつ終わるとも知れない仮設住宅での生活は始まったばかりだが、早くも問題があらわになっている。国や東電は住民の苦悩をどう受け止めているのか。
(岡田 広行 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら