胸張る石丸氏と涙目の蓮舫氏に見る野党の限界 快進撃を続けてきた「立憲・共産」協力も通用せず

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さらに、今回都知事選で石丸氏に支持を拒否され、候補も出せずに「自主投票」を余儀なくされた日本維新の会は、党内の「東西対立」がさらに先鋭化。「東京維新」の幹部地方議員の離党などで、次期衆院選に向けて、馬場伸幸代表の交代論も浮上している。

もちろん、「都知事選は地方選挙で、国政選挙とは別物」(選挙アナリスト)ではある。しかし、いわゆる「 『アテンション・エコノミー』とも言われるSNS選挙を駆使した石丸戦術の大成功」(同)は、有権者の既成政党への根深い批判・不信を浮き彫りにした格好だ。次期衆院選に向け、全ての主要政党が対応に苦慮することになりそうだ。

消し飛んだ「少子化、防災など都政の論争」

そもそも、過去最多の56人が立候補した今回の都知事選は、主要候補の闘いとは別に、「掲示板ジャック」と「掲示スペースの“販売”」に加え「多数の売名出馬」と、まさにこれまでの選挙常識を覆す異様な選挙戦と化した。

表向きは、地域政党「都民ファーストの会」と自民・公明両党が支援する現職の小池百合子氏に、立憲民主党と共産党が支援する蓮舫氏が挑むという「保革対決」として、「少子化」「防災」「デジタル化」などをめぐる論争が想定されていた。しかし、結果的に「石丸現象も含め、異例づくめで都政を巡る真っ当な論争がどこかに消し飛んだ選挙戦」(政治ジャーナリスト)となったのは否定しようがない。

そうした中、あっさり知事3選を決めた小池氏は、投票終了直後の7日午後8時過ぎに記者会見し、「重責を痛感する。もっと改革を進めろ、もっと生活を支えてくれという思いを頂戴した」と勝利宣言。3期目の課題として物価高や少子化対策、デジタル化、女性活躍推進、防災などの課題を挙げ、「全身全霊で対応していきたい」と余裕の笑顔で語った。

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