スマホ非対応サイト「死亡宣告」の衝撃度 グーグル「モバイルゲドン」の影響とは?

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ユーザーの閲覧やクリックを獲得している最大のコンテンツは画像、次いでビデオだったが、リンクのみのコンテンツも20%のレート向上が見られた。依然として、ニュースフィード上で内容を手軽に楽しめる作り込みが効果的であるとの結果だ。

たとえば昨今、Facebookのニュースフィードではビデオが自動的に再生される仕組みが採用され、画面スクロール中に手を止めてビデオを見終えてから続きをスクロールする、といった行動も生まれている。

グーグルの検索エンジン以上に、Facebookの表示アルゴリズムの変更はユーザーの行動にインパクトを与える。またコンテンツが表示される「デザイン」についても、変化がもたらされる。

そうしたことから、引き続き、ビジュアル中心のコンテンツを提供するマーケティング施策を、メディアだけでなくあらゆる業種が活用すべきである、といえるだろう。

これからのデジタル広告とは?

巨大プラットホームの行動変化は、それらを活用するビジネスにとって大きなインパクトを与える。

グーグルやFacebookのデザイン、アルゴリズム等の変更はもちろんだが、特にメディア業界では、FacebookやAppleによるニュース閲覧機能の提供しており、どちらかというと既存のバナー型の広告を排除する動きも見られる。

この流れは、モバイルでのクリック単価の上昇とクリック率の下落という広告のトレンドや、コンテンツが好まれる傾向に対する、情報閲覧ツール側の対応策と見ることもできる。

そのため、純粋な広告から、記事広告や記事に対するスポンサーシップなど、コンテンツのクリエイティブが介在する形への流れが加速する可能性もある。日本でも「ネイティブ広告」というキーワードで、議論が行われている領域だ。

前述の通り、ソーシャルメディア、検索エンジン以外の流入についても、本格的な取り組みが求められる。そのきっかけは、IoTやビーコン、決済などが有望ではないか、と筆者は考えている。これらの分野にもプラットホーマーは取り組み始めており、引き続き、デザインや技術の動向を注視すべきだ。

レポートでは、新たなソーシャルメディアとして、ライブストリーミングに注目している。

日本ではUstream、ニコニコ生放送、ツイキャスなどの活用が進んでいるが、米国ではTwitterが買収したPeriscopeによる市場支配が決定的となっており、ボクシングなどスポーツイベントによってユーザー数や言及数が上昇する傾向を指摘している。

モバイル化とユーザーに好まれるコンテンツ性の高い広告やメッセージを打ち出しつつ、既存プラットホームと新たなツールの素早い理解と活用によって、独自性の演出していく。このことが、今後もデジタルマーケティングの効果を高めていくことにつながりそうだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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