スマホ非対応サイト「死亡宣告」の衝撃度 グーグル「モバイルゲドン」の影響とは?
Adobe Digital Indexは、前述のAdobe Marketing Cloudによって収集された5000以上のブランドの匿名消費者データや、Facebookポスト5000億インプレッション、検索エンジンの広告閲覧数5250億件などの分析によって、レポートが作成されている。
今回のレポートでもっとも大きなイベントとなったのは、2015年4月に行われたグーグルのモバイル最適化サイトの優先表示だ。ウェブマーケティングの世界では、通称「モバイルゲドン」と呼ばれており、レポートによると、非モバイル対応サイトへのトラフィックは最大で10%減少したという。
スマホ広告のコスト上昇と効果低下
企業は自社サイトのモバイル対応を推し進めるべきだが、その一方で投資に対する効果が得にくい傾向も明らかになっている。
一般に、ウェブでの広告出稿は、1クリックあたりのコストや、クリック率などで測られるが、スマートフォン向けの検索エンジンマーケティングにおいては、クリック単価が16%上昇している一方で、クリック率は9%減少しており、コスト上昇と効果低下という問題が生じている。
非常に多くの検索エンジンからの流入データを分析していることから、グーグルなど主要検索エンジンのビジネスの現状を予測することもできるという。
検索エンジンを活用したマーケティングは世界的に6%の成長にあり、65%のシェアをグーグルが確保している。ただし、グーグルの検索ビジネスの成長スピードは2014年同時期の4.5%に比べて半分以下となる1~2%成長に鈍化している、との予測だ。
また、北米地域やアジア太平洋地域では、デスクトップとモバイルは同等の効果を持っているとの分析を行っている。しかしページ閲覧数はデスクトップの半数以下となっており、レポートではIoTやNFC(近接通信)など、検索エンジンやソーシャルメディア以外からの流入を確保すべきとアドバイスしている。
Facebookのアルゴリズム変更のインパクトとは?
グーグルに並ぶデジタルマーケティングの重要なプラットホームは言うまでもなくFacebookだ。Facebookも、2014年、2015年始めに、ニュースフィードへの表示アルゴリズムの変更を行っており、ソーシャルメディアマーケティングへの影響が注目されている。
Facebook広告に関して、クリック単価はグローバルでは横ばいとなっているが、北米市場では6%上昇した。また、クリック率は前年比で2倍に成長しており、クリック数も12%向上したという。反面、インプレッション数は前年比47%もの下落をした。
広告の「質」で比較すると、Facebook広告は閲覧する消費者に好まれる傾向にある。Facebook広告の支持が51%に対し、YouTubeでは17%に留まっている。ユーザーは広告のパーソナライズが役立っていると考えているという。
またディスプレイ広告での比較では、Facebookのクリック率の成長は年間で99%に達しており、同時期のグーグルの年間成長率24%を大きく上回る結果となった。広告成長のトレンドは、Facebookがコントロールしていることがわかる。
Facebookを活用したマーケティングについて、ニュースフィードに流れてくる情報に対するインタラクションについても効果測定をしているが、インタラクションのレートの低下が続いている。
モバイル化の進行によって、広告の表示数を減らしたい、というユーザーのニーズにFacebookが応えていることが影響している。そのなかで、パーソナライズされた内容と、広告であっても楽しめるコンテンツが、好まれているというのだ。
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