像が「55万円で落札」"金次郎"の謎を解いてみた 「歩きスマホ」助長の真相と見直されるSDGs精神

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だが、田中さんはそれを否定する。

「二宮金次郎像の引き取り依頼はほとんどありません。小学校が閉校になっても別の施設に移されて活用されているケースが多いと聞きます」

金次郎が歩きスマホを助長する?

新たに小学校に建てられる金次郎像もある。二宮尊徳終えんの地、栃木県日光市の南原小学校に2016年に寄贈された像もその一つだ。

ところが、この学校の金次郎像は一風変わっている。薪を背負った少年が歩きながら本を読む、というお馴染みのポーズではなく、切り株に腰を下ろしているのだ。

当時の報道によると、像を寄贈した地元団体は「歩きスマホの危険性が指摘されるなか、座像のほうが適切だと考えた」という。

これに対して、SNSには「時代をうまく反映していますね」という声が上がる一方、

「『働きながら勉強する』象徴だったのに、仕事をサボって本を読んでいるようにしか見えない」「『教育的配慮』とやらのこっけいさがにじみ出ている」「虚構新聞のネタかと思った」などのコメントがたくさん寄せられた。

実は、「座り金次郎像」は小田原市にも複数あり、「歩きスマホはダメだから、座像が増えている」といううわさの根拠にもなっているようだ。

ところが、記者がそのうちの1体を現地で確認すると、スマホが普及する以前、1993年に建てられたものだった。

さらに別の「座り金次郎像」を1989年に建てた豊川小学校のホームページには、次のような内容が書かれている。

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