ソフトバンク、AI検索「1年無料開放」に映る狙い 個人顧客向けで初の生成AI活用キャンペーン

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国内でも、NECの「cotomi(コトミ)」、NTTの「tsuzumi(ツヅミ)」といった日本企業によるLLMの独自開発が相次ぐ。KDDIも4月、他社が開発したオープンモデルのLLMを日本向けにカスタマイズする新興企業、ELYZA(イライザ)と資本業務提携を結んだ。

もっとも、こうしたLLMがメインターゲットに据えているのはいずれも法人向けだ。医療機関や金融機関など、業種や業務を絞ったうえで、ユースケースに応じた最適なサービスを提供する「特化型モデル」を展開しながら、国内企業のニーズに手堅く応えていこうとする発想が主流といえる。

端末にAIを組み込む動きも加速

個人向けについては、アメリカのアップルが6月上旬、iPhoneへの生成AI搭載を発表したように、スマホ端末側にAIを組み込む動きも広がる。国内キャリアは端末の動向をにらみつつ、パープレキシティのような個人向けサービスのビジネスチャンスを見極める動きが進みそうだ。

NTTドコモの新社長に就いた前田義晃氏は6月18日の記者会見で、「グーグルピクセルやギャラクシーなど複数の機種で生成AIに対応し、画像編集や検索の機能を便利に利用いただいている」と語ったうえで、「さまざまなパートナーと提携し、お客様により便利にお使いいただけるサービスを検討したい」と述べた。

国内キャリアの中でも、先んじて個人向けの生成AIサービスに一歩踏み出したソフトバンク。思い切って投じた一石は、同社が目指す「AI革命」を引き起こすきっかけになるのか。1年かけて答えが明らかになりそうだ。

茶山 瞭 東洋経済 記者

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ちゃやま りょう / Ryo Chayama

1990年生まれ、大阪府高槻市出身。京都大学文学部を卒業後、読売新聞東京本社の記者として岐阜支局や東京経済部に在籍。司法や調査報道のほか、民間企業や中央官庁を担当した。2024年1月に東洋経済に入社し、ITベンダー業界を中心に取材。情報通信、メディア、都市といったテーマに関心がある。趣味は、読書、散歩、旅行。学生時代は、理論社会学や哲学・思想を学んでいた。

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