原発事故が子どもに強いる厳しい生活、郡山市で「安心して遊べる場」が大盛況
表土を2度にわたって削り取ったことで、園庭の放射線量はそれ以前の1.5マイクロシーベルト/時から現在、0.2マイクロシーベルト程度まで下がっているが、外遊びの再開はできていない。
「9月の敬老の日前後には子どもたちが特別養護老人ホームに出向いてお年寄りと交流してきたが、今年は外出を見合わせているため、プレゼントを贈ることにとどめざるをえない」(増子としい・大成保育所所長)。園庭にあるプールも水が抜かれたままだ。
■今年はプールでの水遊びは中止(郡山市立大成保育所)
制約がある中で、大成保育所では、遊びの機会の確保に知恵を絞っている。年に3回実施しているサッカー教室は、遊戯室を使って実施。水遊びの代わりに、牛乳パックで作った竹に見立てた流し筒を水道につなげ、そうめんになぞらえたテープを流して、食べるまねごとをした。
「こうした活動を記したお便りは、普段の年よりも多く保護者向けに差し上げている」(増子所長)。
大成保育所では、懸命な除染活動が続けられている。午前7時半、早番で出勤した職員は放射線測定装置で放射線を測定。子どもが登園を終えた9時半には高圧洗浄機で玄関の床に着いた汚れを押し流す。そして午後のお昼寝の時間も、職員が除染活動に汗を流す。子どもが帰宅した後には、放射線量の記録をノートにまとめている。