京王井の頭線「渋谷の隣」神泉駅の不思議な風景 トンネルを一瞬だけ出てまた入る駅周辺の地形

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駅舎の周辺は、昔からの住宅地という風情で、狭い道が多い。バスの乗り入れはなく、駅前広場もない。筆者は一時、駅の北側に住んでいたことがあるが、まだスマートフォンがない時代でもあり、周辺を歩いていても、どこに駅があるかわからなかった。

それに神泉駅から乗っても、次の渋谷駅で乗り換えなければいけないこと、下北沢や吉祥寺にはほとんど行かなかったこと、歩いて渋谷駅を目指しても15分ほどだったことから、神泉駅を使う機会は数えるほどだった。

神泉駅の踏切
神泉駅北西側の坂道から望む踏切(筆者撮影)

どんな人が利用する?

ではどんな人が利用しているのか。京王電鉄広報部に聞くと「2022年度の1日平均の神泉駅乗降人員は1万194人で、定期利用が32.9%、定期外利用が67.1%です」という答えが返ってきた。

絶対数は、井の頭線17駅中14番目にすぎないものの、京王電鉄全体では定期利用が定期外利用を上回っている中、定期外利用がかなり多いことが目につく。さらに広報部は「2021年度の乗降人員は8920人で、定期利用が33.1%、定期外利用が66.9%でした」という数字も教えてくれた。

井の頭線全駅のデータを見ると、2021年度に1万人未満だった駅の中で、1万人以上に増えているのは神泉駅だけであり、わずかではあるが定期外利用が拡大している。

理由の1つは、道玄坂の途中から右に入り、神泉駅の南側をカーブしながら通る道の周辺が、近年「裏渋谷」と呼ばれ、新たにオープンした飲食店が目に付くようになっているためかもしれない。

裏渋谷
裏渋谷と呼ばれる神泉駅南側のエリア(筆者撮影)
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