新型フリード「ただの正統派」ではない形の狙い 派手さはなくても感じるホンダのメッセージ

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なお、1.5リッター直列4気筒のガソリン車は、こちらもフィットやヴェゼルと同様、直噴方式からポート噴射方式になった。技術的には時代に逆行しているようにも思えるが、フリードのキャラクターを考えれば、高性能である必要はない。そのため、直噴独特の音を抑え、コストダウンにも寄与するポート噴射方式をあえて選んだという。

AIRとCROSSTAR

デザインは「シンプル&スマート」という、最近のホンダのトレンドに合わせたものだ。とりわけエクステリアは、ひとまわり大きなステップワゴンや、軽自動車の「N-BOX」との近さを感じる。

ひとめでフリードだとわかるプロポーションながら、まったく新しいデザインとなった(写真:三木宏章)
ひとめでフリードだとわかるプロポーションながら、まったく新しいデザインとなった(写真:三木宏章)

ただし、その2台は、先代から激変したわけではなかった。それに比べるとフリードは、ドアの前の三角窓がなくなったり、サイドウィンドー上端のラインがほぼ直線になって、リアクォーターウィンドーはスクエアになったりと、大きく変わった。

最初にも書いたように、先代はモデル末期まで人気車種だったから、ここまで変えるには勇気が必要だったはずだが、「パワートレインの一新を見た目でもアピールしたい」という思いから思い切ったとのことだった。

ステップワゴン同様、「AIR(エアー)」というサブネームを与えたことからも、心機一転という思いが伝わってくる。

ディテールは異なるが、ステップワゴンやN-BOXに通じる雰囲気が感じられる(写真:三木宏章)
ディテールは異なるが、ステップワゴンやN-BOXに通じる雰囲気が感じられる(写真:三木宏章)

SNSの書き込みなどを見ると、日本のカーユーザーはこうしたシンプルでクリーンなデザインを「物足りない」「安っぽい」と感じる人が多いようだ。現行型の途中で加わった「CROSSTAR(クロスター)」は、それに対する回答に思えた。すっきりしたエアーに対して、こちらはクロスオーバーテイストの演出が先代よりも明確になっていたからだ。

新型クロスターでは、バンパーの一部をブラックアウトしたうえに、シルバーのアクセントを効果的に取り込む。

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