加えてクロスターでは、黒基調のファブリックシートに配されたオレンジのステッチが、遊び心を絶妙に盛り上げていることも印象的だった。
![AIRのインテリアは写真のグレージュのほかにブラックも用意(写真:三木宏章)](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/d/5/570/img_d5b0ee784ea5e430a33296a416db0855380334.jpg)
![オレンジのステッチとカーキのパネルが特徴的なCROSSTARのインテリア(写真:三木宏章)](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/7/4/570/img_74bd5763a66ed5f90a883fd2901b3f8b349947.jpg)
乗車定員はエアーが3列シートの6人乗りと7人乗り、クロスターは2列シートの5人乗りと3列シートの6人乗りが用意される。このことからも、クロスターはファミリーユースだけでなく、レジャーユースの受け皿としても位置付けられることがわかる。
プラットフォームを変えていないのでパッケージングに変化はないが、3列目シートは現行型より小さく軽く仕上げており、楽に格納できるようになった。
車いす仕様車と助手席リフトアップシート仕様車は、福祉車両のハードルを下げたいという気持ちからクロスターがベースになり、前者はレジャー用途にも使ってもらおうという気持ちから、「スロープ」というグレード名になったという。
「優れたカーデザイン」を考える
全体的に見て言えるのは、フリードそのものより、ホンダ・デザインとしてのメッセージが明確だということだ。しかも、小細工に頼らずに美しさと使いやすさの両立を目指す方向性は、デザインとしては正統派であり、直球勝負と言える。
![奇をてらわずシンプルに機能を追求したようなスタイリング(写真:三木宏章)](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/a/c/570/img_ac605fcf937af12bebf0ab9114758f77183435.jpg)
ホンダは4輪車メーカーとしての礎を築いた「N360」や初代「シビック」も、機能美を感じさせるデザインだったわけで、ブランドイメージにも合っている。
前にも書いたように、日本のユーザーの中には、あっさりした造形を好まない人も少なからずいる。でも、それは好き嫌いの範疇であり、新型フリードは評価されるべきデザインのひとつだろう。
新型フリードも過去2世代と同様、多くの人に親しまれることが予想される。オーナーとなった人たちが日々の生活を通して、優れたカーデザインとは何かを考えるきっかけになれば幸いだ。
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