世界のダイエット食に化けた日本の伝統食材 イタリアで大人気呼ぶセイタンって何だ?
セイタンとはいったい?店員さんに話と聞いたところ、正体がわかった。これは日本でいうところの「生麩(なまふ、しょうふ)」だという。小麦粉に含まれるでんぷん質を水で流し去り、残ったたんぱく質がグルテンを形成したものにもち米などを加え、ゆでるか蒸すかしたものだ。
生麩はお吸い物やお刺身・田楽などで楽しまれる日本の伝統的な食材である。それが海を越えたイタリアで大人気になっていた。とはいえ、私たち日本人でも口にする機会が少ないぶっちゃけ地味な食材ともいえる。そんな生麩=セイタンが本当に美食の国イタリアで人気なのか。
現地の人に聞き込み調査してみると、ズッキーニなどの野菜と一緒に炒めたり、生麩のフライにしたり、ムニエルにしたり、とイタリアの家庭でさまざまな調理方法で愛されていることがわかった。
セイタンは肉の代わり
またフィレンツェでは一般家庭だけでなく、レストランでもセイタン料理が大人気。メニューを見てみるとセイタン(生麩)を使った料理がたくさん。オリーブオイルなどの調味料を混ぜて作る。セイタンのカルパッチョ。やや厚切りにしたセイタンにパン粉を揚げて作ったボリュームたっぷりの、セイタンのカツレツなどだ。
さらにセイタンの串焼きや、セイタン入りラザニアもある。実はイタリアでセイタンは肉の代用品として使われている。たくさんのタンパク質が含まれ、お肉に比べて脂質もかなり少ない。
昔からウサギやイノシシなど様々な肉食文化が栄えたフィレンチェでは、近年の健康ブームを受け、代わりとして注目されたのがセイタンだ。「セイタン」とは「正しいタンパク質」の「せい」と「たん」をとって作られた造語。名付け親は日本の食研究家である桜沢如一さん。1960年代に食事療法とともに世界各国にこのセイタンを広めたといわれている。
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