ミラノ博覧会で発覚!「かつお節事件」の衝撃 レセプションに日本産かつお節を持ちこめない

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そのカベとは、きわめて厳しい「食品輸入規制」だ。EUは食品輸入に極めて厳しいことで有名で、原則としてEU認定施設で製造されたものしか認められていない。

日本から認められる輸入品目は生鮮の牛肉と水産品のみで、かつお節などは事実上不可能だった。いぶす過程で発ガン性が強いベンゾピレン等が発生し、規制値を超えるというのがその理由だ。また高級かつお節は乾燥・熟成の際にカビが付着するため、カビ毒の懸念も輸入禁止の理由と言われている。

しかし、かつお節がなくては、日本食の基本である出汁をとることができない。そこで農水省は、2014年5月から特例措置を創設するようにイタリアに働きかけていた。

イタリアはEU食品規制のおひざ元

そもそもイタリアには食品の安全や品質、偽造などフードチェーン全般をチェックする欧州食品安全局の本部がある。そのイタリアで日本の食料品の安全と高品質が認められるなら、EU市場への道が開けることも夢ではなくなるかもしれない―。そんな期待が多少はあったのかもしれない。

昨年11月には桜庭英悦・食料産業局長が欧州委員会保健総局を訪問し、動物由来食品に関する特例措置を協議するなど、積極的に動いていた。その結果、今年3月2日、「ミラノ万博へ持ち込む動物由来食品に関する動物衛生及び公衆衛生上の例外規則」が公表され、万博会場内での消費に限りEUHACCPの認定施設で製造されていなくても使用できることになったのである。

これで、日本産のかつお節を使った日本食をミラノ万博で存分に振る舞うことができるはずだった。だがここにきて、冒頭に記したように、とんでもないことが発覚した。7月11日夜にステッリーネ宮殿で開かれるジャパンディ記念レセプションで、日本から持ちこんだかつお節が使えないというのだ。

特例措置があるはずなのに、なぜ使えないのだろうか。

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