ミラノ博覧会で発覚!「かつお節事件」の衝撃 レセプションに日本産かつお節を持ちこめない
その理由は、きわめて単純なものだ。ステッリーネ宮殿は万博会場の外にある。そのため、「特例措置」の対象にならないというのだ。
「農水省はイタリアと交渉する際に、この問題にどうして気づかなかったのか。ジャパンディの記念レセプションをステッリーネ宮殿で行うことは、早くからわかっていたこと。特例措置が適用される場所の範囲を『万博会場及びその関連施設』と付け加えればすむ問題ではなかったか」と、衆院農水委員会理事を務める民主党の玉木雄一郎衆院議員は首をかしげる。
レセプションではEU産のかつお節を使用
記念レセプションは、イタリアのマウリツィオ・マルティーナ農林政策大臣やジョルジュ・ザッパ日伊ビジネスグループ会長、各国の在ミラノ領事館関係者など政財界関係者および文化人約500人を招いて盛大に開かれる。
これを監修するのは、大正元年創業の京都の老舗料亭「菊乃井」の三代目主人である村田吉弘氏だ。村田氏は2008年の洞爺湖サミットの晩餐会では世界のトップをうならせ、2012年には「現代の名工」として厚生労働大臣表彰を受けた日本料理界の第一人者。2013年には「京都府文化功労賞」、2014年には「地域文化功労者(芸術文化)」を受賞した。
2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたのも、村田氏の尽力によるところが大きい。村田氏が担当するということはすなわち、レセプションで出される料理が「最高水準の日本料理」であるということになる。
その村田氏が最も神経を使っていると伝えられるのが出汁だ。日本で馴染みのかつお節を使うことができると想定していたのに、実際には使用できなくなったのだ。
11日のレセプションでは、「和田久」がスペインで製造するEUHACCPの基準を満たしたかつお節を使用する。もちろん、そのかつお節が十分に高い品質を誇っているからだ。しかし、そもそもステッリーネ宮殿を「特例措置」に含めるように求めなかったことが、今回の混乱を招いた。この経緯を今一度、反省する必要があるだろう。
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