振興銀への免許は不当、行政検証委員会が指摘した金融行政の「落ち度」



 
 金融庁が一部業務停止や業務改善命令を出したのは10年5月。刑事告発や首脳の逮捕などを挟み9月に破綻する。このとき、約6000億円もの預金があり、初のペイオフが発動された。

振興銀行は決済機能を持たず、資金調達は定期預金に限っていたため、金融システムの混乱に発展しなかった。ただ、資産規模の大きさは、破綻処理の負担増に直結する。現在、振興銀行は不良債権を切り離し、最終スポンサー決定までの暫定的な受け皿として、預金保険機構が設立した第二承継銀行へその資産が移されている。
 
 破綻以後、預保は金融整理管財人として振興銀行が預金払い戻しを行うための貸し付けや第二承継銀行への資金援助など、3000億円以上を負担している。

急速な資産拡大が続く中、改善命令を早く出しておけば、傷口は広がらずに済んだともみられるが、会見で草野委員長は「検査に協力しない相手(振興銀行)に対し、金融庁は相当に努力した」と話した。一方、別の検証委員は「早く業務改善命令を出せばよかったとの見方もあるが、検査妨害などにきちっと対応できる法的な枠組みになっていないように思われる」とも述べている。
 
 経営破綻に至る問題の本質は免許付与にある、というのが検証委員会の見解だが、指導監督がどこまで適切であったかは疑問が残る。

自見金融担当相は、30日の会見で「指摘内容を真摯に受け止め、反省すべき点は反省し、金融行政の改善向上に生かしていきたい」と述べた。
 
 振興銀行の経営が特殊だっといえばそれまでだが、免許付与の「落ち度」を指摘した今回の報告書は、どれだけ今後の金融行政に生かされるのだろうか。
(井下 健悟 =東洋経済オンライン)

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