「開かずの踏切」いつ解消?南武線高架化計画の今 川崎市内の4.5kmがついに前進、立川側でも動き

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同駅は線路をまたいで上に駅舎がある「橋上駅」で、駅の両側と周辺を結ぶ歩行者デッキが整備されている。だが、高架線の高さが約8mだと下にデッキを通すのは難しく、一方で高架線の上を通せば相当な高さになってしまい、現状のデッキを維持するのは難しい。市道路整備課によると、同駅は高架化後、改札口が1階(地上)になる予定のため、デッキは1階につなげる方針で検討しているという。

また、今回の立体交差化は川崎市の事業のため、横浜市内の矢向駅付近は含まれていない。合わせて高架化を求める声もあるが、横浜市道路局建設課によると「構想はあるが、今のところ事業化の動きはない」といい、「南武線の踏切を解消しても、貨物線の踏切が残るといった課題がある」と説明する。川崎市内の高架化が動き出す中、今後の動向が気になる部分だ。

南武線 矢向駅前 踏切
矢向駅前の踏切。同駅付近は横浜市内のため川崎市による連続立体交差化事業の区間には含まれていない(記者撮影)

立川側でも「調査中」

南武線の高架化は、これら川崎寄りの区間だけではない。立川側でも計画が進んでいる。東京都が事業主体の谷保駅―立川駅間連続立体交差化計画だ。区間は約3.7kmで、高架化する駅は矢川、西国立(ともに立川市)の2つだが、解消される踏切の数は19カ所と多い。

こちらの事業費は約960億円で、事業期間は約13年の予定。東京都建設局道路建設部によると、現在は「都市計画案の作成に向けた調査を行っている段階」で、今のところ、都市計画決定などの目標年次は定めていないという。だが、実現に向け動き出していることは確かだ。

道路の渋滞や歩行者の滞留、さらには事故の危険などから解消が求められる踏切。沿線の武蔵小杉が一躍人気の街になるなど、変化を続けてきた南武線沿線だが、「開かずの踏切」解消が進めば、沿線の姿やイメージはさらに変わっていくだろう。

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小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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