池袋という街だから見つかる「銘柄発掘のヒント」 コロナ禍でも「成長業種」の兆しをいち早く発見
その後に入ったのが「おかしのまちおか」だ。背景にあったのはインバウンド消費。安価で安全だし、美味しい日本のお菓子は外国人観光客にとって格好のお土産だ。それを調達するためのお店として「おかしのまちおか」は支持された。
コロナ禍で観光客が途絶したことは「おかしのまちおか」にとって特大のダメージだったのだろう。2021年に閉店してしまった。
バブルとその崩壊、不良債権問題、インバウンドと社会情勢を映す鏡となってきた店舗を次に埋めるのは、どんなテナントなのか─—。
「リユース」の成長に抱いた複雑な思い
そこに投資のチャンスがあるはずだと待ち構えていたが、一向に埋まる気配がない。繰り返しになるが、池袋駅北口から徒歩30秒の超絶好立地だ。
それにもかかわらず埋まらないままの景色。コロナ禍のダメージがいかに凄まじいかを実感した。
今の時代を映す投資対象が現れるのはいつなのか……。そんな思いでイライラしながら「おかしのまちおか」跡地を見ていたのは、おそらく自分1人だけだろう。
やっと埋まったのは1年後。埋めたのはブランド古着のリサイクルショップだった。運営するのは東京を中心に展開する非上場の企業だ。
「なるほど、リユースか!」
長引く不況にコロナ禍が追い打ちをかけ、消費者の購買力は低下している。一方でリユース店が定着し、古着への抵抗感は薄れているのだろう。
そんな時代を象徴していると感じて、同業の「セカンドストリート」を運営するゲオホールディングスや「格安スーパー」の大黒天物産、ディスカウントストアを展開するトライアルホールディングスをポートフォリオに加えていった。
やっと見えてきたアフターコロナの変化の兆しに満足感を覚える一方、「リユースであれば私たちの暮らしはよくならなそうだ」と複雑な思いも抱いていた。
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