友好的M&Aはありうる--宗岡正二・新日本製鉄次期社長

友好的M&Aはありうる--宗岡正二・新日本製鉄次期社長

三村明夫社長に代わり、4月1日付で次期社長に就任する宗岡正二副社長。ミタルをはじめ海外勢の圧力が増す中、どんな戦略を描くのか。会見ではその一端が明かされた。
(週刊東洋経済2月2日号より)

業界の世界的な再編が加速する中で、難しい舵取りを求められます。次期社長としての経営方針は。

 三村社長が敷いた路線を進めていく。グローバルプレーヤーとしての位置づけを定着させたい。周りを見渡すと粗鋼生産1億2000万トンのアルセロール・ミタルがある。韓国のポスコや中国の企業も5000万トンを目指すと公言している。新日本製鉄は粗鋼生産「4000万トンプラスα」を目標として設定しているが、「規模も力」ということもあるので、プラスαは100万~200万トンにとどまらないとのイメージで考えている。そして、収益性も高い世界トップメーカーとしての位置を明確にしていきたい。

「プレーヤーとしての位置づけ」とは、具体的にはどういうことですか。

 弊社の生産高に占める製品輸出比率は55%前後。過半は海外の需要にアクセスしていることになる。国内経済が低迷する一方で新興国を中心に経済が伸びており、当然の選択をしていると思う。この状況下、グローバルサプライヤーからグローバルプレーヤーに変わらなければならない。自動車メーカーなどが海外展開を積極化していく局面なので、海外での設備投資やソフトアライアンスなどを含めて対応していきたい。

規模拡大を図る意味で、M&Aも選択肢にあるのでしょうか。

 友好的でかつ経済性のあるM&Aは否定するものではない。ただ、敵対的なTOBはやらない。M&Aは手っ取り早く会社の規模を大きくする一つの手法ではあるが、自社の強みをさらに強くできるとか弱みを補完できるようなM&Aでないと意味がない。

これまで、どのような事業を担当されましたか。

 常務時代に(社内変革を担当する)タスクフォースの事業部長に任命されたが、これが記憶に残っている。今から約7年前は鉄鋼会社の業績が悪く、新日鉄も鉄鋼事業をどうするのか議論した。若手の執行役員クラスを10人程度集めて、冷延やメッキ工場の生産性、歩留まりなどが他社に比べてどうか、社内の製鉄所ではどこがベストなのか、事業所ごとの人事や技術交流はなされているのかなどを議論し、問題提起をした。徹底してやったと思っている。

1970年に旧八幡、旧富士製鉄が合併して新日鉄が誕生しました。新日鉄入社の1期生として、初めての社長就任になります。

 これまで、合併の軋轢については特に意識してこなかった。合併前に入社した社員は今や数人しか社内に残っていない。今はそういう(合併の軋轢を論じる)時代ではないという気がする。
(週刊東洋経済:梅咲恵司記者 撮影:梅谷秀司)

むねおか・しょうじ
1946年5月3日山口県生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒。70年新日本製鉄入社、主に営業畑や秘書部門を歩む。99年取締役、2003年常務を経て05年4月より副社長。

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