伝説の編集長が伝授!「変化が起こる」銘柄発掘術 株式分割、英文開示…「株の民主化総仕上げ」狙え

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連結事業欄を見ると、東急は交通運輸以外に、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートなど事業の多角化が進んでいることがわかる。一方、京成電鉄は交通運輸が主力のままで収益源の多角化が進んでいない。東急のほうがバランス型経営でリスク分散できており、経営者の手腕としては評価できる。

しかし、株式市場が評価したのは東急より京成電鉄だった。

2023年3月から4月にかけて、新型コロナの感染症法上の分類が5類へ移行することが見えてくると、東急も京成電鉄も株価が上昇に転じた。実際に5月に5類となり、多くの人が鉄道やバスに乗り交通運輸事業の収益が改善。そのときに株価の上げ幅を拡大したのは東急より京成電鉄のほうだった。

何せ京成電鉄は売上高の過半を交通運輸事業に依存している。収益回復のインパクトが大きい。東急はじめほかの関東私鉄大手は全社22年3月期に黒字化していたが、京成電鉄だけはなお赤字だった。株式市場は変化を好む。赤字のダメ会社が黒字に転換するなど、変化率が大きければ大きいほど株価上昇は大きくなる。東急と京成電鉄の違いはその典型だ。こうしたことに気づくヒントが四季報には満載されている。

株式分割を先取り

今後の株式市場の注目点は、「株の民主化」が総仕上げを迎えること。東証が上場企業に求めた「株価を意識した経営」に向けての改革が最終段階を迎える。新NISA(少額投資非課税制度)の後押しもある。個人投資家が売買しやすくなり、株式投資が民主化されれば株価の上昇要因となる。

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