日本KFCにTOB、「ケンタッキー」はどう変わる? カーライル傘下でマクドナルドを追随できるか

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また、チムニーにとって大きかったのは、カーライルによる出店のサポートだった。「飲食チェーンが持つ物件情報と比べると、カーライルの情報は質と量ともに段違いだった」と前出の幹部は話す。

カーライルは以前に営業していたテナントの設備が残る「居抜き物件」の情報を早期に入手。営業中のテナントの退店を把握しているケースもあったという。チムニーはそうした情報を基に出店を進めていった。

カーライルの下で、チムニーは調理技術の向上を目的とした社内大学の設置、執行役員制の導入、漁業への進出、給食事業の受託、新業態の開発などさまざまな改革を実行し、短期間で再上場を果たしたのだった。

三菱商事出身の役員は退任へ

日本KFCにとって規模拡大は最も重要な課題だ。前述のように2024年3月末の店舗数は1232店。業界トップ・マクドナルド(同3月末2978店舗)との差は大きく、まだ拡大余地があるといえる。

チムニーのように、カーライルの物件情報などのノウハウを活用できれば、大幅に出店ペースを加速できる可能性もありそうだ。

今回の一連の取引が完了すれば経営陣も大きく変わる。判治孝之社長をはじめ、三菱商事出身の幹部は退任する見込みだ。また、鶏肉などの食材も三菱商事の子会社などから仕入れを行っていた。調達経路が変更となる可能性もある。

資本、経営、調達など、さまざまな転換期を迎えつつある日本KFC。カーライルと共に課題をクリアし、拡大路線を進むことができるのか。成長の本番はこれからだ。

金子 弘樹 東洋経済 記者

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かねこ ひろき / Hiroki Kaneko

横浜市出身で早稲田大学政治経済学部を卒業。2023年4月東洋経済新報社入社。現在は外食業界を担当。食品ロスや排出量取引など環境問題に関心。

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