「クリスピー」大量閉店から復活果たした独自路線 ミスドとは違う突き抜けた個性を追求
ドーナツが日本で身近となったのは、1971年にミスタードーナツとダンキンドーナツの1号店がオープンして以降で、「日本人はミスドでドーナツ体験を積んできた」ともいわれる。「アメリカではドーナツは朝食だが、日本ではおやつ需要」という声も聞く。
そのミスタードーナツとの違いを訴求するクリスピー・ドーナツに対しては、こんな声もある。
「店舗数が少なく、出会えた時に特別感があります。でもミスタードーナツに比べて知名度が低いですよね」 (20代女性と40代女性)
ミスドとは違う価値観を提供する
ミスタードーナツは飲茶メニューを提供するなど軽食需要にも応えるが、国内に約1000店を持つ「生活インフラ的なドーナツ店」だ。クリスピー・ドーナツは違う戦略で進める。
「お客さまの『こうしてほしい』という声を追いかけるとマスブランドになりますが、現時点ではそのステージにいないので、商品やサービス、店の雰囲気も独自性で訴求します」
こう話す若月社長が社内に伝えるのが、「来店客に寄り添い『また来たい』と思われるような店づくり」だ。コロナ禍当初に始めた「サンキューカード」は今や名物になった。
店舗拡大については、「販売チャネルも多様化しているので適度な規模感で行う」と話す。
今年度は10~15店増を予定。イベント的な使われ方が多かった「新宿サザンテラス店」でスタートしたブランドが、近年は日常使いにもシフトしてきた。個性的なドーナツが、どこまで消費生活に浸透するかが次の課題だろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら