法を完無視「アラブ系拡大家族」にドイツ社会震撼 司法介入を拒否、不倫した人間を「私刑」で殺害

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強盗を指示したのはAl-Zein氏族のトップであるZaki Al-Zein氏です。実行したのは、息子のJahed Al Zein氏(当時28歳)、甥のKhalil El Zein氏(当時25歳)など5人のグループ。唯一Al-Zeinファミリーの一員でない人物は1人だけでした。

2017年にはベルリンのボーデ博物館に展示されていた重さ100キロ、価値が375万ユーロ(約6.1億円)する純金の金貨が盗まれました。犯行の舞台となったボーデ博物館では当時世界各国からの高価な金貨が展示されていましたが、博物館の160ある窓のうち「一つの窓だけ」防犯ガラスが使われていませんでした。この窓から犯人たちは侵入しています。

犯行直後から専門家は「博物館の内部事情を知る人物が犯行にかかわっていた可能性が高い」と見ていました。後に犯行に及んだ3人に「博物館の内部事情」を伝えたのが、博物館の警備に携わっていた人物だということが判明しています。

ボーデ博物館で「真夜中に一輪車を押しながら、重さ100キロの金貨の窃盗に及んだ」のはRammo氏族に属している当時20歳のAhmed、彼の4歳年上の兄Wayciおよび彼らの従兄弟で22歳のWissam R.氏だということが判明しています。金貨は現在も見つかっていません。

警察官になりすまし、高齢者からお金を騙し取る

日本では家族を装って高齢者に電話をかけお金を奪う「振り込め詐欺」が問題になっていますが、ドイツでは「電話で警察官になりすまして高齢者から資産を奪う詐欺」が横行しています。こういった詐欺に複数の拡大家族がかかわっていることがわかっています。

2018年6月、当時83歳だったドイツ人のHeinz J.さんは計6万ユーロ(約980万円)を騙し取られてしまいました。

同氏は「警察官」を名乗る人物から「警察がルーマニア人の犯罪グループを逮捕したが、ルーマニア人らの荷物からあなたのキャッシュカードが見つかった。このままでは、あなたの資産が危ないので、銀行に行って、いったんお金をすべておろしてきてください」と言われました。さらに「銀行の金庫も安全ではない」と言いくるめられ、亡くなった妻の結婚指輪も騙し取られてしまいました。

日本の「振り込め詐欺」の場合、加害者が海外から日本の高齢者に電話をかけているケースが多く見られますが、ドイツの場合「偽の警察官」の多くがトルコのイズミールからドイツ国内の高齢者に電話をかけていることがわかっています。「電話をかける人」と「ドイツの現場でお金を回収する人」は「同じ拡大家族の出身」つまりは「同族」だったり「付き合いのあるファミリー」だったりします。

ドイツ社会を震撼させているこれらの犯罪を受け、近年ドイツの連邦内務・国土省は「拡大家族犯罪」という言葉を用いて市民に注意を促しています。

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