法を完無視「アラブ系拡大家族」にドイツ社会震撼 司法介入を拒否、不倫した人間を「私刑」で殺害

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拡大家族のルーツは複雑です。ドイツのイスラム研究者のRalph Ghadban氏によると、マラミエ・クルド人である彼らは代々トルコの南東アナトリア地方に住んでいました。

トルコの最大都市であるイスタンブールとは1500キロもの距離があり、クルド人である彼らはトルコ政府に不信感を抱いていました。彼らの一部は、子供が生まれる時にトルコ政府に出生届を出さず、無国籍の状態にある人がいました。

産業がなく貧しい地域であることから、20世紀には数回にわたり多くのクルド人がレバノンのベイルートに移住しています。レバノンに渡った人の中にはレバノン国籍を取得した人もいれば、無国籍のままレバノンで生活している人もいました。1975年にレバノン内戦が発生すると、レバノンにいたクルド人の多くがドイツに入国したのです。

その後、彼らはドイツで難民として認められたわけではないものの、滞在権について「ドイツ国内にとどまることを黙認されている」という状態の人が結構いました。

州によって違いはあるものの、1990年代になって彼ら一部に正式な在留許可が与えられましたが、それまでの期間は就労が許されておらず、子供たちについても就学の義務もなかったことから、彼らはドイツ社会へ統合できておらず既に「手遅れ」でした。ドイツで長らく「宙ぶらりん」の状態に置かれたことは少なからず犯罪の遠因になっています。

ドイツ司法より独自の価値観

彼らはトルコにいた頃も、レバノンへ移住した後も、それぞれの国の政府に対して不信感を持ち、彼らの「伝統的な価値観」で暮らしてきました。ドイツへ移住した後も、それは変わりません。

彼らの多くは「ドイツの価値観よりも拡大家族の独自の価値観が大事」だと考えています。残念なことにその「独自の価値観」にはドイツの法に触れるものが多く見られます。

例えば拡大家族では「私刑」が当たり前だと考えられています。不倫をした人を罰するために拡大家族のトップにいる人物が、家族に対して殺人の指示をすることもあります。

実際にそれで殺されてしまった男性の事件は、ドイツでAmpelmordという名前で有名です。Ampelはドイツ語で信号という意味、Mordは殺人という意味ですが、被害者は信号待ちをしているところを撃たれたため「信号殺人」と呼ばれています。

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