1ドル=70円台が詰め寄る日本企業への「覚悟」

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 EMSに生産を“丸投げ”までしなくても、今までも日本企業は円高基調で、自社の海外生産を拡大してきた。そうした動きが今後、一段と加速するのは避けられない。

日産自動車は2012年以降、SUV(多目的スポーツ車)「ローグ」の生産を、現在の九州工場から、米スマーナ工場(テネシー州)へ移管。電気自動車「リーフ」なども生産を開始する見通しで、北米での現地生産を増強する。

為替リスク軽減を狙って、中南米を含めた米州での現地生産は、現状の7割から15年までに85%へ引き上げる算段だ。ホンダも14年前半にはメキシコで、完成車とエンジンの一貫工場を新設。次期小型車などを年約20万台規模で生産する。

こうした動きは生産だけにとどまらない。部品の海外調達拡大に踏み込むのは、グローバルカンパニーの常識だ。

もう国内生産は限界か

パナソニックでは部材調達の本部機能について、大阪からシンガポールへ移管することも計画している。シンガポールを拠点として、アジアでの部品調達を積極的に推進していくもくろみである。

より進化しているのはコマツだ。従来は日米欧で運営してきた、サプライヤー(部品会社)組織「コマツみどり会」を、中国でも9月に発足させると決めた。

主要工場のある山東省や江蘇省を軸に、中国全土で加盟を見込むのは約60社。うち半数は中国の地場企業を想定している。「(サプライヤーは)日中間で切磋琢磨してほしい」と、梶谷鉄朗・中国副代表は鼓舞する。

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