暑いと株価も上がる?「ラニーニャの夏」の実態 気象庁データと日経平均株価の関係を調査

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ところで、もう1つ注意が必要なポイントを紹介しましょう。これまでは、ラニーニャを通じて“夏が暑いと株が高い”関係を紹介しました。しかし、実は夏があまりにも暑すぎると、逆に株価が下がってしまう傾向があります。

1970年以降の集計で、最高気温が35度以上の猛暑日が月に5日以上あった7月の日経平均株価は平均で-2.89%と下落しました。8月も同じように-0.94%と下落です。

暑すぎると今度は株安の原因に

夏本番が暑すぎるとエアコンの利いた室内にこもりがちとなり、外出が控えられてしまいます。これが消費にネガティブな影響となり、株安の原因にもなります。

ちょっと微妙な関係まで細かく説明したので、最後に、いま一度、整理してみましょう。ラニーニャの6月は雨が多く株安となりますが、暑い真夏となる7月と8月は株高の傾向となります。

しかし、その7月と8月も、猛暑日が月に5日以上となるように暑すぎると、株安になってしまいます。

民間の天気予報機関などからの発表では、今年の夏は記録的な暑さになるとの予想も見られています。ちょっと注意しておく必要もありそうです。

吉野 貴晶 ニッセイアセットマネジメント 投資工学開発センター長

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、ニッセイアセットマネジメントに入社。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(MBAコース)で経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。代表的な著書に『No.1アナリストがプロに教えている株の講義』(東洋経済新報社、2017年) 。

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