暑いと株価も上がる?「ラニーニャの夏」の実態 気象庁データと日経平均株価の関係を調査

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

7月から8月の夏本番にかけては、ラニーニャのときのほうが株高になることがわかりました。なぜ、このような関係があるのでしょうか。

暑い夏はエアコンもアイスも売れる

ラニーニャで夏が暑くなれば、エアコンの売り上げが好調になります。身近なところを見ればビールや清涼飲料水、アイスの売り上げも良くなります。夏物衣料も売れるでしょう。そのような季節モノを扱うメーカーや小売店の販売が好調となり、経済全体を押し上げる効果につながります。これが株高の背景にあります。

ところで気になるのは、6月のデータです。ラニーニャの6月の平均騰落率は0.54%となりました。これは母数の6月平均の0.75%を下回っています。ラニーニャの6月はそうでない6月と比べると株価が上がりにくいことを示しています。

この理由は梅雨(つゆ)と関係しています。ラニーニャの発生は東南アジア近海の海水温が上昇することが原因です。そして、梅雨の時期に暖かい海水により、たくさんの水蒸気を含んで温められた空気が上昇して積乱雲が発生しやすくなります。これが日本で多くの雨をもたらす原因になるのです。

雨が多いと、雨具などの売れ行きは上がります。しかし、行楽地などへの外出が控えられてトータルで見ると消費が伸び悩む原因になります。景気へのマイナス影響から、ラニーニャの6月は株価の上昇も抑えられる傾向があるのです。

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事