中国新興EV「理想汽車」に株主が集団訴訟の背景 達成不能な目標開示し、株価下落で損害と主張

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今回の集団訴訟の参加対象は、理想汽車の株式を2024年2月26日から3月20日の期間に保有していた株主となっている。

同社は2月26日に2023年の通期決算を発表した際、2024年1~3月期の販売目標を開示した。それを3月21日に下方修正したため、その間の株式保有者が虚偽情報による損失を被ったとみなしている格好だ。

理想汽車は「MEGA」の販売戦略を見直し、短期的な拡販よりも充電の利便性改善を優先する方針を打ち出した。写真は同社の直営充電ステーション(理想汽車のウェブサイトより)

郝弁護士の見解によれば、理想汽車はMEGAの発売にあたって市場の需要と自社の経営戦略を誇大に宣伝しており、(2月26日に開示した)1~3月期の販売目標はそもそも達成不能な数字だったという。

会社側は「根拠なし」と反論

集団訴訟を提起した株主は、理想汽車の虚偽の情報開示や(経営陣の)誤解を招く発言などが原因で生じた株価下落による損失の賠償を、同社に対して求めている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

一方、理想汽車は財新記者の取材に対して、集団訴訟を提起された事実を認めた。しかし原告側の主張には根拠がないとしており、「わが社は会社と株主の利益を守るために最善を尽くす」とコメントした。

なお、同社は販売目標を下方修正した後、MEGAの販売戦略を全面的に見直した。営業のターゲットを高級ミニバンの購入力を持つ都市部のコアなユーザーに絞るとともに、(充電ステーション不足への潜在顧客の不安を和らげるため)中国の主要都市で直営の充電ステーションの建設を加速するとしている。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は5月16日

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