中国新興EV「理想汽車」に株主が集団訴訟の背景 達成不能な目標開示し、株価下落で損害と主張

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理想汽車は3月1日に投入した高級ミニバン「MEGA」の販売が振るわず、わずか3週間で販売目標の下方修正に追い込まれた(写真は同社ウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカー、理想汽車(リ・オート)の株主の一部が、同社の虚偽の情報開示により損失を被ったとして、アメリカの裁判所に集団訴訟(クラスアクション)を提起したことが明らかになった。

原告側の主張によれば、理想汽車は2024年3月1日に発売した新型高級ミニバン「MEGA」の販売目標を、当初から達成不能と認識していながら過大に設定して発表した。この虚偽情報により株主の投資判断を誤らせたことが、詐欺に該当すると訴えている。

中国・北京市に事務所を構える郝俊波弁護士が5月15日、集団訴訟の代理人として上述の情報を公表した。郝弁護士は、集団訴訟の提起を広く知らしめることで、さらに多くの株主が参加することを期待している。

(訳注:理想汽車はアメリカのナスダックに上場しており、株主らは同種の集団訴訟が一般的なアメリカでの訴訟を選んだとみられる)

発売から3週間で下方修正

理想汽車の創業者でCEO(最高経営責任者)の李想氏は2024年初め、同年の目標販売台数を前年実績の2倍以上の80万台とする強気の計画を発表。問題のMEGAに関しては、月販8000台の目標を掲げた。

しかし中国の業界関係者の多くは、この目標を現実離れしていると見ていた。ミニバンはもともとニッチなカテゴリーであり、まして高級車ならば販売台数はさらに限られるからだ。

MEGAのメーカー希望価格は、発売時点では55万9800元(約1205万円)からに設定された。だが、同価格帯の高級ミニバンで最も売れているトヨタの「アルファード」でも、(中国市場での)年間販売台数は2万台に満たない。

結局、MEGAの発売後の販売実績は目標を大幅に下回った。理想汽車は3月21日、2024年1~3月期および通年の販売目標の下方修正を発表。この約3週間に、同社の株価は約3割も下落した。

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