風力発電の本格普及への高いハードル、補助金廃止で強まる“逆風”

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 新エネルギー利用促進法(RPS法)に基づく買い取り制度も、むしろ風力発電の普及を妨げてきた。03年にスタートしたRPS法では、電力会社に販売電力の一定割合を風力発電など再生エネルギーで賄うことを義務づけている。風力については多くの電力会社が毎年、買い取る量の上限を決め、抽選などで事業者を選んできた。

ただ、「買い取る量が少なすぎる」(日本風力発電協会・斉藤哲夫企画局長)ため、抽選は熾烈を極める。適地が多い北海道電力や東北電力の抽選会では、募集枠に対して10倍もの応募が殺到することもある。

当選しても、条件次第では送電線や電圧安定設備の設置を求められることがあり、辞退に追い込まれる事業者もいる。09年から余剰電力の買い取りが義務づけられた太陽光発電とは対照的に、制度が事業者の意欲をそいでいることは事実だ。

RPS法に基づく買い取り価格は、電力会社と事業者との交渉で決まる。価格は制度がスタートした03年からずっと低下傾向にあり、直近では平均で1キロワット時10円強。一方で、鋼材価格の高騰などから、設置コストは上昇しつつある。

しかも、再生エネルギー特別措置法による全量買い取り制度導入を見越して、10年度からは発電所建設費の3分の1を補助する国の制度がなくなってしまった。継続案件を別にして、10年度以降、新規投資はピタリと止まっている。全量買い取り制度の導入を前に、事業者にはまさに“逆風”が吹いているのだ。

では、全量買い取り制度が始まれば、風力発電は本格的に普及するのだろうか。当面の最大の注目点は、買い取り価格と期間がどう決まるかだ。経済産業省の案では、太陽光以外は1キロワット時20円程度、期間は15~20年で検討中とされる。

建設費の補助金を加味すれば、RPS法の買い取り価格は現状、1キロワット時15~16円に相当する。また、風車の平均償却期間は約17年。少なくともこの条件を上回らなければ、多くの事業者にとって採算は厳しくなる。日本風力発電協会の代表理事を務めるユーラスエナジーの永田哲朗社長は、「協会としては、期間20年、1キロワット時20円での買い取りを希望する。譲っても期間17年で20円が限度」と言う。

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