中国不動産大手「万科」、非中核資産の売却を加速 バルクセールやREITを活用して現金化急ぐ

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「グループ全体の銀行借入残高は2023年末時点で2000億元(約4兆3400億円)近くに上るが、そのうち万科のグループ企業が直接借り入れているものが1200億元(約2兆6040億円)を超える」

万科の総裁(社長に相当)を務める祝九勝氏は、前出の議案について株主総会でそう述べた。

不動産業界に対するデフォルト不安が高まり、万科も2度の信用危機に直面した。写真は同社の董事会主席を務める郁亮氏(万科のウェブサイトより)

その意図は、グループの傘下企業がバラバラに借り入れている債務を万科本体または同社が直接支配する子会社の信用力の下に集約することにあるとみられている。

有利子負債を2年で3割圧縮へ

中国の不動産大手の中では相対的にましとはいえ、万科を取り巻く経営環境は厳しくなる一方だ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

同社は2023年10月末、不動産業界のデフォルト(債務不履行)リスクに対する市場の警戒感が高まる中で(債券や株式を売り込まれる)最初の信用危機に直面。2024年2月にも再び危機に見舞われた。

万科は2023年末時点で総額3200億5000万元(約6兆9450億円)の有利子負債を抱えている。同社は「着実なレバレッジ(債務)低減」という旗印を掲げ、2024年から2025年にかけて1000億元(約2兆1700億円)を超える有利子負債の削減を目指す。

(財新記者:陳博)
※原文の配信は5月1日

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