「彼との結婚、イコール不妊治療のスタート。そして、もしも子どもを授からなかったとしたら、そのときには2人の気持ちがすれ違って、関係が終わる気がするんです」
その気持ちをさだおに正直に告げたようだ。しかし、彼からは「もしも頑張って授からなかったら、そのときは2人で仲よく暮らしていけばいいよ」という言葉は出てこなかった。
彼にとって、結婚イコール子ども。これが絶対条件だった。不妊治療に後ろ向きになってきたみきえに、不信感すら抱くようになった。
話し合いを重ねた結果、「この結婚はやめよう」という結論に2人で至った。
婚活より妊活のほうがつらい
「(さだおとの)結婚はなくなりました」と、電話で伝えてきたみきえは、声を詰まらせていた。
「“子どもを授かりたい。だから、結婚しなきゃ”という思いで婚活をしていたのですが、そこが絶対になってしまうと、自分の首を絞めるというのが、今回のことでわかりました。結局、私には結婚をする覚悟ができていなかったのかもしれません」
これまで筆者の相談所を成婚退会していった元女性会員のなかは、不妊治療をしていた人たちも多い。現在、している人たちもいる。
つらい不妊治療を経て、子どもを授かった人もいれば、年齢的なタイムリミットや、これ以上治療費をかけられないという金銭面から、授からずに治療をあきらめた人たちもいる。
不妊治療をした女性たちが、筆者に言っていた言葉は共通していた。
「婚活は大変だったけれど、妊活はもっと大変でした」
子どもを授かりたいがために、婚活をしている人は多いと思うのだが、まず大切なのは、子どもを授かることよりも2人の関係を築くこと。それを念頭において、婚活をしていくことが大事なのではないだろうか。
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