「婚活よりつらい経験」40歳女性が直面した"現実" 彼との結婚はイコール不妊治療の始まりだった

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お見合いを終えたみきえが、交際希望を出してきた。

「思い切ってお会いしてよかったです。今までお見合いしてきた中で、一番話が合ったし、1時間があっという間に過ぎました」

仮交際に入り、何度かデートを重ねて2カ月が過ぎ、結婚を前提とした真剣交際に入ることになった。

そこからは「いつ成婚退会をしようか」「親へのあいさつはどうしようか」と、結婚に向けての具体的な話をするようにもなっていた。

ところが、結婚が現実味を帯びていくと、みきえの気持ちに迷いが出てきた。あるとき「相談があります」と、筆者のところに連絡が来た。

子どもを絶対に授かる保証はない

「2人で近々、『ブライダルチェックに行こう』と言われました。私も、もうすぐ41歳になる。結婚前に自分の体を調べることは、大事なことだと思っています。ただ、さだおさんの、“子どもがほしい”という気持ちがあまりにも強すぎるので、それがだんだん重荷になってきました」

みきえ自身、年齢的にも子どもを授かるのは最後のチャンスかもしれないと思い、そのための婚活だった。

ただ、結婚が現実のものとなると、“本当に子どもは授かれるのか”という気持ちも出てくる。年齢的に自然妊娠を待つ時間の余裕は、みきえとさだおにはないから、不妊治療になるだろう。

不妊治療をしてきた友達をたくさん見てきたが、子どもを授かった人もいれば、授からなかった人もいる。また、不妊治療が思っている以上に精神的にも肉体的にも女性に負担をかけるというのも、友達を見ていて知っていた。

そこで先日、さだおに「不妊治療をしても、子どもを授からなかったらどうする?」と聞いてみた。すると、さだおが言った。

「そんなマイナスな気持ちでいたら、うまくいくものもいかなくなるよ。自分にとっての結婚は、子どもを授かることが最優先。みきちゃんだってそうでしょう? とにかく2人で頑張ってみようよ。子どもを授からないなら、結婚する意味はないでしょう?」

みきえは、筆者に言った。「よくよく考えてみると、不妊治療ってすごく不平等ですよね」。

「男性は精子を病院に渡せば、それで任務完了。それを卵子と受精させ、受精した卵子を女性の体に戻すけれど、着床するとは限らない。もし着床してもそこから育つとは限らない。戻してからの過程は、すべて女性が背負うことになる」

そう考えると、だんだん苦しくなってきたという。

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