「婚活よりつらい経験」40歳女性が直面した"現実" 彼との結婚はイコール不妊治療の始まりだった

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女性の場合、個人差もあるのだが、出産可能な年齢は40代前半くらいまでだろうか。

みきえ(40歳、仮名)も、“1日も早く結婚して、子どもを授かりたい”という気持ちから、37歳のときに婚活アプリに登録した。最初はアプリに登録すれば、簡単に結婚相手が見つかると思っていたのだが、その考えが甘かったと気がついた。

「アプリで2年活動しましたが、結婚相手に出会うことはできませんでした。話が面白くて“素敵だな”と思う人ほど、結婚を真剣に考えていなかった。年収や学歴などもウソの情報を入れている人がいたし、お付き合いしてみたら、実は結婚していたという人もいました。なんだか時間を無駄にしてしまいました」

そこで、筆者の結婚相談所で婚活をすることにした。

結婚相談所の場合、入会時に身分証明書や独身証明書、収入証明書、学歴証明書、資格を有する職業についている場合は資格証明書の提出が義務付けられている。

既婚者は登録できないし、恋人や遊び相手ではなく、結婚相手を探すのが結婚相談所だからだ。

入会面談のときに、「最後のチャンスに子どもを授かりたいので、時間を無駄にすることなく、できるだけ早く結婚をしたい」と言っていた。

希望は、なるべく年齢の近い男性との結婚だった。子どもが生まれて大学を卒業するまでには、22年かかる。50代の男性と結婚をしたら、子どもがまだ小学生、中学生のときに父親が定年を迎えてしまう。

ところが、みきえと同世代で子どもを望んでいる男性は、1歳でも若い女性との結婚を望んでいた。女性も歳を重ねるほどに、出産をするときのリスクが高くなるので、男性側としてはそれを避けたいと思っているからだ。

20代なら同世代同士の結婚が可能なのだが、アラフォーになると、相手を求める年齢のベクトルが、男女ですれ違う。

ひと回り上でも定年のない自営業なら

“年の近い男性”にこだわっていたみきえだったが、あるとき、52歳のさだお(仮名)からの申し込みがかかり、それを受けることにした。ひと回り上だったが、自営業者だったので、定年がない。

しかも、年収が2000万円という高額所得者だった。

また、さだおの趣味が野球観戦で、ひいきのチームが同じだったことや、プロフィール写真が大好きな俳優に似ていたことも、気持ちを前に進ませた。

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