家を借りる人が「ゴミ集積場」を見るべき深い理由 清掃員を12年続けて間違いないといえる持論

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ごみ集積所が汚いということは、近所の目が行き届いていないということです。やっぱり、人の目がないとごみの分別もおろそかになりがちです。分別されていない違反ごみは回収されないので、そのごみがその場にたまり続けることになります。

ごみ集積所だけじゃない。「ごみはごみを呼ぶ」ではないけれど、ポイ捨てされたごみが多いと、そのごみのまわりにごみが集まるんです。

「ごみがあるってことは、ごみを捨ててもいいんだ」と思うのか、その周辺一帯の住民のことを考えることもなく、そこにごみを放置する人がいて、いつしか「ごみの山」ができる。ごみの山が放置されれば、もちろんニオイも出るし、ごみを狙ってカラスやハエ、ハチなんかも集まってくる。

こんな町に住みたいと思う人は、ほとんどいないと思います。誰だって汚い町よりはきれいな町に住みたいですよね。

ごみ集積所がきれいな地域は、その周辺に住んでいる人たちが顔を合わせて、そこに住む人々の気持ちを考えながら生活している地域といえます。

つまり、ごみ集積所を見れば、住みやすい町なのかどうかということがわかるのです。これは偏見でもなんでもなく、ごみ清掃の仕事を通していろんな町を見てきた実感です。

ごみ清掃員が考える「物件の選び方」

これから部屋を借りたいと考えていたり、家を買いたいと思っていたりする人に、ごみ清掃員の視点からアドバイスしたいのは、「引っ越しをするなら、その地域のごみ集積所を見てほしい」というか、「絶対に見てから決めたほうがいい」ということです。

最近は、インターネット上で内見しただけで、物件を決める人もいるみたいだけど、実際に足を運んだほうが絶対にいい。

その理由は、部屋の中だけじゃなくて、周辺環境のことがわかるから。

部屋の中はネットで見られるけど、周辺環境は実際に行ってみないとわからない。

ごみ集積所なんてとくにそう。

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