漁師めしで魅了、登録者80万人の異色YouTuber 17歳で飛び込んだ漁師の世界はしんどかった
――漁師とYouTuberを両立させるのは大変なのでは?
最初は漁師めしを作ることから始めた。仕事の合間に実家の台所を使い、撮影に3~4時間、編集に7時間くらいかけ、2~3日おきに動画をアップしたが、再生数は100回にも満たない。コストと労力に見合わない時期が数カ月も続いたことはつらかった。
今は漁の様子もアップしているが、陸上や屋内で撮るのとは異なり、その日の天候がどうなるのか、どれだけの魚が獲れるかもわからない。自然任せという点では大変だ。普通に漁をしている分は楽しいが、撮影をしながらだと、いつもの2.5倍くらいはしんどい。
一方、そうであるからこそ、参入障壁は高い。適当なコンテンツだと伸びないと思っていて、漁師の枠組みなど、柱から外れない動画作りに徹している。いまは漁師めしと漁、魚食と関係が深いお酒が中心だ。漁師めしであればさばくときの画角を使い、あえて船上で洗わないままのまな板を使い豪快さを残すなど、さまざまな工夫を凝らしている。漁師のイメージを大切にしたうえで調理することにこだわっている。
カキ養殖を始めたのは自分が食べたかったから
――漁師の仕事に加え、取り組んでいる事業もあるようですが。
カキの養殖や水産物のオンラインショップ「はまゆうの台所」などもやっている。カキを扱ったのは、単純に自分が作ったものが食べたいと思ったから。「自分が食べたいものをいろんな人と共有したい」という理念があり、おいしいと思ってもらえることが好きなので、こうした取り組みはどんどん広げていきたい。組織は法人化していて、撮影から編集、カキの仕分けなど、パートナーとの2人体制ですべてをこなしている状況だ。
――収支も含めて、事業はうまく回っているのですか。
それなりに稼いできたが、事業への再投資に回すことがほとんど。いまは閉店したが、期間限定の居酒屋事業には1000万円以上を投じている。カキ養殖にもすでに500万円を使った。お金は事業優先で使うので、手元にあまりキャッシュは残らない。私自身の収入は法人から受け取る年600万円の役員報酬くらいだ。
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