放射線測定器へ熱視線、堀場製作所、エステーも群がる注目市場

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放射線測定器へ熱視線、堀場製作所、エステーも群がる注目市場

震災前は見向きもされなかった分野に、今や大企業が群がっている。

福島原子力発電所事故が収束の兆しを見せない中、ガイガーカウンターなどと称される、放射線測定器の需要が急伸中だ。震災直後こそ東北地方中心だったメーカーへの問い合わせが、6月以降は地域を問わず急増。全国の自治体や学校に加え、「風評被害の防止に」という企業や、幼い子を持つ親のニーズも高い。

背景には、局地的に高い放射線量を示す、“ホットスポット”の存在が明らかになったことがある。原発からの距離とは必ずしも一致せず、同じ市や町の中でも、少し場所を変えるだけで測定値が異なるケースは珍しくない。

国際放射線防護委員会(ICRP)の声明(3月21日)によれば、一般人に対する放射線の防護基準は、年間1ミリ~20ミリシーベルト(1ミリ=1000マイクロ)と幅が広い。年20ミリシーベルトに到達する放射線量は毎時で3・8マイクロシーベルト。

基準をめぐり議論が分かれているせいか、ホットスポットの該当地域では不安を募らせる住民もいる。そのため、大気中の微弱な放射線量を測定する携帯型に、一気に注目が集まった。

堀場製作所の「ラディ」(価格約13万円)」は注文しても、7月時点で2カ月待ちの状態だ。10マイクロシーベルト未満の放射線量を毎時0・001マイクロシーベルト単位で測定できる高精度品で、日産自動車の輸出検品にも使われている。

年100台程度だった生産台数は、8月から月産4000台まで拡大した。業界大手の日立アロカメディカルにも注文が殺到、最安モデル(約24万円)には当面対応できないほどである。

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