投資の視点で「良い会社」を判断するポイント 「売上」や「財務状況」だけでは実態はわからない

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たとえば、来期に売上のお金が入金される予定であるが、顧客への商品の販売は当期中に完了しているので、当期に売上を計上するケースが挙げられる。

この処理は、不正に行なうものではなく、会計上のルールに基づいてなされる正当な処理だ。しかし、このような処理が可能になることで、会社のマネジメントは売上の計上タイミングをある程度決定することが可能となり、よってそれに基づき計上される利益は「質が低い」と判断される場合があるということだ。

なお、アメリカの南カリフォルニア大学教授Richard Sloanは“Do Stock Prices Fully Reflect Information in Accruals and Cash Flows about Future Earnings?”(1996)のなかで、アクルーアルが将来の投資リターンと関係があるという検証を行なった(すなわち、アクルーアルが少なく、利益の質が高い会社への投資のほうが、投資リターンが高かった)。

これは、アクルーアルが高い会社は自社の売上や利益を短期的に高く見せようとし、結果としてその後、高い売上や利益を維持できない(実際に現金が入ってくる売上や利益ではないため)ことで、株式市場を失望させてしまうケースがあるためだ。

「収益性」こそがビジネスの本質

このように、クオリティといってもインデックスプロバイダーごとにその考え方や使われている特性が異なり、また、各社とも、何か単一の特性でクオリティを測定しているわけではなく、3〜4個の特性を組み合わせて総合的にクオリティを測定していることがわかる。

しかし、どの指数においても収益性と資本構成(財務レバレッジ)の指標は共通して備えているので、両者はクオリティ戦略の必要条件といえよう。

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