妻大ショック「夫の3回忌後」出てきた遺産の正体 本人以外は存在を知らない「デジタル遺産」の罠
専門業者に依頼をすれば、端末自体にアクセスでき、デジタル遺産の事業者(金融機関や発行体)がわかればそこに問い合わせをすることで相続手続きを進められる可能性がありますが、相当な手間と費用(数十万とかもザラ)と時間がかかってしまうのが現実。海外事業者が運営する暗号資産などは複雑なので手こずるでしょうし、そもそも相続に関する手続きが確立されていないものもあったりします。
すべての相続手続きを終えたと思っていたのに後からデジタル遺産が見つかったとなれば、遺産分割協議や相続税申告・納税をやり直す必要も出てくるなど、事務的にも、金銭的にも、精神的にもかなりの負担が生じてしまうのです。
夫が知らぬ間にネット証券に入っていた
実際に相続において、デジタル遺産をめぐる「失敗」は起きています。夫を亡くしたAさんの実話です。
夫は生前、友人Bさんから紹介された資産運用アドバイザーを通じて運用口座を開設し、そこでいろいろなネット証券に投資していました。Aさんや子どもはその存在を知りませんでした。
そのネット証券の運用報告は、定期的に夫が所持していたパソコンのメールアドレスに届くだけで、その存在がわかるような書類などは自宅にも一切存在しません。
夫の他界後、Aさんと子は相続の専門家にも相談、依頼をしながら相続の手続きを期限内に終えることができました。把握できた金融資産や不動産だけでもそこそこの遺産があったため、相続税も思っていたよりも大きな額になりましたが、それは仕方のないことだと納得することにしました。しかし、このとき、上記のネット証券の存在はAさんと子に知られることがないまま放置される形になったのです。
夫の3回忌のこと。
法要に訪れた友人Bさんから、Aさんはこのネット証券のことを知らされることになりました。慌てて、夫の死後、ほとんど開くこともなかったパソコンを開けてメールを確認したところ、今も定期的に運用報告が届いていました。
その運用報告を見たところ、評価額(残高)はなんと約1300万円。こんなところにこんな財産があったことにAさんは驚きます。
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