「ソニー・ホンダ」異なる文化から生まれたもの デザインの視点から見る異色コラボの結節点

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デザイン&ブランド戦略部は、モビリティそのもののデザインだけでなく、ソニー・ホンダモビリティという企業のブランディングをはじめ、空間、プロダクト、UI/UXなども含めたデザインを包括的に手がけている。

今回話を聞いたのは、戦略部のヘッドを務める石井大輔さんと、石井さんのサポート役を担うゼネラルマネジャーの河野拓さん。石井さんは2021年からソニーグループのデザイン部門を担うクリエイティブセンターのセンター長も務めている一方、河野さんは2017年からホンダでデザイン開発室室長を任されてきた。

当初は一緒にやる難しさもあった

現在、デザイン&ブランド戦略部における、ソニーとホンダの社員の比率はほぼ半々だという。これまで約1年半共に仕事をして、互いにどんな印象を持っているのか聞いてみた。

「デザイナーが圧倒的な知見を持っていて、何事においてもスピード感があると感じました」(石井さん)。「あらゆるものに対して美意識が高いことに驚かされました」(河野さん)。

同社を立ち上げるにあたって、策定した開発コンセプトは「NEWTRAL」。「NEUTRAL(中立)」と「NEW TRIAL(新たな試み)」を重ねた造語で、互いの組織文化が混ざり合い、化学反応を起こして新しい文化を創っていくという考えが込められている。

「異なる要素が一体となって中和されることで、ある意味澄み切った環境が生まれ、そこからさまざまな挑戦が生まれていくことを目指しました」(石井さん)

(撮影:梅谷秀司)

とはいえ、異なる会社が一緒になって、チームの一体感を醸成するのは、そう簡単なことではない。実際、使っている専門用語が異なるなど、当初は一緒にやる難しさもあったという。

しかし、自由闊達な精神を尊重し、他にない独自性を追求する姿勢には通底するものがあり、それがいい方向に働いた。たとえば車体のデザインをおこす時、ホンダのメンバーはスケッチやクレイで行うのに対し、ソニーは最初から3Dモデルなど進め方そのものが異なっていたが、双方で話し合って3Dモデルを使うことに。

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