大王製紙vs北越紀州、総会後も対立は深刻

業界再編が迷走、大王社長への賛成率は71%

小雨が降る中での大王製紙の株主総会当日。株主のほとんどは徒歩ではなく自動車で会場入り

その直接のきっかけは、北越紀州と、業界6位の三菱製紙が2014年8月から検討を進めてきた紙販売子会社同士の統合案が、今年4月、正式に“破談”に追い込まれたことによるものだ。三菱製紙側から一方的に検討中止の通知があったためという。製紙第三極の形成に向けて、ひとまず三菱製紙との関係を深めようとした北越紀州に対して、第三極の主導権を取られまいとした大王側が阻止に動いた――というのが、北越紀州側の見立てだった。

「大王製紙の介入により、三菱製紙は販社統合に応じなくなった」――。北越紀州の岸本セキ夫社長(セキは「折」の下に「日」の字)は、6月16日に開いた同社の決算説明会で、公の場では初めて”大王製紙の介入”に言及した。大王側は同日中にすかさず、「(紙販売子会社の統合案の破談は)当社として関知するものではありません」とのコメントを広報室名で発表。26日総会後の記者会見でも、佐光社長は「関与はしていない」と明確に否定したのである。

そもそも北越紀州は、旧北越製紙時代の2006年、旧王子製紙(現王子ホールディングス)から敵対的買収を仕掛けられたこともあり、業界2強(王子HDと日本製紙)に対抗できる、第三極の形成を旗印に掲げてきた。現時点でその有力な候補となるのが、業界4位の大王、6位の三菱製紙との2社、あるいは3社の組み合わせだ。

北越紀州に飲まれるのは納得できず

旧北越製紙は、2009年に旧紀州製紙を統合し、北越紀州製紙が発足。2012年には、井川高雄氏ら創業家との内紛を抱えた大王に対し、北越紀州は仲介役になる格好で、創業家から大王本体と関連会社群の株を買い取った。その後、関連会社群の株を大王に譲渡し、大王本体の株は保有し続けることに。それが北越紀州が大王を持分法適用会社化した顛末だ。

ただ、直近2014年度の売上高でみる限り、大王の4502億円に対し、北越紀州は2284億円と約半分。「小が大を飲む」形で持分法適用会社にされたことに、大王関係者の不満は小さくなかった。

2013年2月には、大王の関連会社だった川崎紙運輸(当時は大王が直接・間接で38%出資する持分法非適用関連会社で、その後、資本関係を解消)が、北越紀州の株を持ち株比率2%まで買い集めていたことが発覚。同年6月27日の大王の株主総会では、北越紀州が佐光社長の選任議案に「反対」票を投じるところまで、一時関係がこじれた。2年前の総会で、佐光社長選任に対する賛成率が75.1%にとどまったことには、こうした背景があった。

その後、両社の関係はしばらく小康状態が続いたが、北越紀州と三菱製紙との間で、本体同士の経営統合も視野に検討してきた、紙販売子会社の統合案が破談に追い込まれたことから、今回、2年ぶりに対立が燃え広がったのだ。

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